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2023 年度 実施状況報告書

腹壁末梢神経ブロックは腹腔鏡手術の術野状態を改善しうるか?

研究課題

研究課題/領域番号 21K16532
研究機関弘前大学

研究代表者

野口 智子  弘前大学, 医学研究科, 助教 (30772016)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード末梢神経ブロック
研究実績の概要

腹腔鏡下手術では術野状態を良好に維持するために高い気腹圧で手術が施行されると、術後疼痛や皮下気腫の増大が起こる可能性が指摘されている。このため、深い筋弛緩は良好な術野状態の維持に重要であり、低い気腹圧での手術に不可欠である。しかし深い筋弛緩を維持するためには相対的に筋弛緩薬の投与量が多く必要であり、特に高齢者や腎機能障害、肥満患者では筋弛緩作用の遷延が危惧される。
元来、腹壁末梢神経ブロックは腹壁の筋弛緩と鎮痛効果を得るために施行されていたが、現在は術後鎮痛目的での使用が主体となっている。当施設で施行された後ろ向き検討では腹壁末梢神経ブロックの有無により筋弛緩使用量で有意な差が認められていた。腹壁末梢神経ブロックが術野状態の維持に有用であるならば、良好な術野視野の提供に加え、筋弛緩薬および拮抗薬使用量の減少、およびそれに伴う合併症のリスク軽減、医療費の削減が期待できる。
このため、ロボット支援下腹腔鏡下手術での超音波ガイド下腹壁末梢神経ブロックによる術野状態への影響を検討中である。主観的指標として術者からの術野状態の見えやすさの評価を使用している。術者からの主観的な評価は筋弛緩薬の投与量や腹壁末梢神経ブロックの有無により大きく変化しない結果が示されている。客観的な指標として気腹後に臍部のポートから腹膜までの距離を計測し、気腹圧の変化による距離の変化を膨らみやすさとして記録している。気腹圧は6mmHgから12mmHgまでで検討しており、結果を検討中である。
この新しい客観的な測定方法が実際に機能しうるかを気腹圧の経時的な変化により計測値が変化するかどうかを評価に加えた。その後、筋弛緩薬の投与量や末梢神経ブロックの有無による測定値の変化を記録し比較検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

症例数は確保できており、統計解析中を行い、追加試験が必要ないか検討中である。

今後の研究の推進方策

予備研究とも比較し、症例数やアウトカム算出に問題がないか確認していく。

次年度使用額が生じた理由

研究は進行しているものの、炎症性サイトカインの測定が未施行であり、翌年度分にあわせて請求予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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