研究課題/領域番号 |
21K16629
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
橋本 洋章 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (50770674)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 嚥下 / 頭蓋内脳波 / High γ活動 / Phase-amplitude coupling |
研究実績の概要 |
てんかん手術のため一時的に頭蓋内電極を留置した患者を対象に水の自由嚥下を指示し、その際の頭蓋内電極信号を計測したものが、計8名分あり、昨年度と同様に継続的に解析を行なっている。また、大阪大学脳神経外科の協力を得て、2022年5月に新規に嚥下時の頭蓋内脳波を計測する機会を得た。さらに、本患者には頭蓋内電極を使用した機能マッピングも実施されており、この機能マッピングの結果と、頭蓋内脳波から計測された周波数解析の結果を比較することにより、嚥下時脳機能の一層の理解が進むことが期待される。 またパーキンソン病に対する脳深部刺激療法(DBS)時には微小電極記録(MER)をもちいて大脳深部核から計測される脳律動変化を計測している。2007年から2022年までに実施されたMERの結果合計195例のデータをまとめ、Data baseを作成することができた。また、DBSの刺激装置であるPercept PCはクローズドループシステムであり、DBS後にも脳深部核の活動を計測することが可能である。2020年から2022年にかけて7名の患者に対して、DBS術後にPercept PCから脳活動を計測することができた。これらの計測結果を元にし、今後も解析を継続していく。 嚥下機能を回復を目指したニューモロデュレーション手法の実現のための基礎研究を継続して行なっており、特に本年は、第52回日本臨床神経生理学会学術総会にて嚥下に関連した脳活動に関して発表する機会を3回得ることができ、知識の一層の普及に努めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳深部刺激療法(DBS)による計測結果をData base化することができたが、十分な結果を得るためには一層の解析が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
パーキンソン病のDBS手術から計測されたMERの結果をもとにData baseを作成したが、今後はその解析を行い、嚥下機能との関係を精査していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費を使用することなく研究を推進することができたため。 2023年度はワークステーションを購入する予定である。
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