研究課題
カスタム遺伝子パネル検査を用いてグリオーマの遺伝子解析を行い、膠芽腫ではEGFR遺伝子変化が予後良好因子であることを見出した。また欧米と比較して日本人ではEGFR遺伝子変異の頻度は低いが、EGFRキナーゼドメインに変異をもつ割合が高いことを見出した。また膠芽腫ではPDGFRA gain/ampが予後不良因子であり、MGMTpメチル化とPDGFRA gain/ampを組み合わせることで予後の層別化が可能であることを見出した。300例以上のグリオーマの解析において、日本人グリオーマ患者の遺伝子プロファイルを明らかにした。日本人においては、膠芽腫ではTERTp変異、EGFR遺伝子変化の割合が海外と比較すると低いが、PDGFRA遺伝子変化の割合が高いことを報告し、人種差があることを明らかにした。WHO2021脳腫瘍分類では分類不能であるNECが相当数存在することを見出し、さらなる分子マーカーの創出が必要であることを提起した。Oligodendroglial tumorではARID1A変異が予後不良因子であることを見出した。以上のように、当該研究により日本人グリオーマ患者の遺伝子プロファイルを明らかにし、いくつかの予後バイオマーカーを発見することに成功した。今後、これらの知見をもとに個別化医療につながる可能性が示唆された。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件)
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