間葉系幹細胞(MSC)を用いた再生医療を効率的に提供するためには、移植に用いる自家MSCを安全に、且つ十分量供給できるプロトコールを確立することが必須である。しかしながら、患者由来の細胞は増殖性に個人差があるため、移植用細胞の数を常に十分量確保できるとは限らないのが現状である。私たちは、IL1bがMSCの多分化能を損なうことなく強力な増殖因子として作用することを示した。しかしながら、MSCにおけるIL1b受容体陽性細胞分画は約5%程度と低く、未知の情報伝達経路が存在する可能性が示唆された。本研究の最終目標は、IL1bによるMSC増殖の分子機序の解析を行い、組織再生医療への還元を行うことである。
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