本研究では、骨折修復への寄与率が高く、エストロゲン受容体α (ERα) の発現量が高い、骨髄間葉系幹細胞であるCxcl12abundantreticular cells (CAR細胞) に着目し、骨折治癒制御に対するエストロゲン作用を明らかにすることを目的とした。まず、CAR細胞特異的ERα欠損マウス (cKO) を作出し、骨折治癒過程を観察したが、骨折後10日および14日の仮骨形成量に群間差を認めなかった。他方で、23週齢の無処置で採取した脛骨及び大腿骨において、cKOでは、CONと比較して、骨密度が有意に低く、骨髄脂肪量は有意に増加した。 今後はこの表現型について詳細な検討を行っていく。
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