膀胱癌患者の尿中で発現が上昇しているmiR-146a-5pに着目し、膀胱癌への作用メカニズムの解明と新規治療法への応用を目的として研究を行った。 網羅的発現解析によりmiR-146a-5pの標的遺伝子としてTET2を同定し、TET2がc-Mycを介して膀胱癌の血管新生を促進することをin vitroで明らかにした。マウスモデルではmiR-146a-5pによるTET2の抑制が膀胱癌の腫瘍増殖能や血管新生能を促進させることが示された。膀胱癌患者の生存分析ではTET2低発現およびc-Myc高発現は予後不良因子であった。以上より、miR-146a-5pは膀胱癌の治療標的としての有用性が期待できる。
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