研究課題/領域番号 |
21K16767
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
西野 公博 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (80801448)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ホモシステイン / 葉酸代謝 / アポトーシス / 難治性癌 / 絨毛癌 |
研究実績の概要 |
・MTX投与によるホモシステイン濃度の上昇についての検討 1.絨毛癌細胞内ホモシステイン濃度の測定 MTX投与により絨毛癌細胞内ホモシステイン濃度が上昇するか検討するため、絨毛癌細胞株Jar、BeWo、及び、JEG-3の培地にそれぞれ、PBS(コントロールとして用いる)とMTXを添加し、絨毛癌細胞内ホモシステイン濃度を測定を行った。それぞれの絨毛癌細胞を5000個播種し、24時間培養後、PBS、及び、1μMのMTXを添加し、48時間培養した後、細胞抽出液を回収した。細胞抽出液のホモシステイン濃度定量は、セルバイオラボ社のホモシステインELISAキットを用いた。結果は、いずれの絨毛癌細胞株においても、MTX添加により、絨毛癌細胞内ホモシステイン濃度の低下がみられ、予想に反するものであった。播種する絨毛癌細胞数、添加するMTX濃度、MTX添加時間など、様々な組み合わせで条件検討を試みたが、一定の傾向を示す結果は得られなかった。これらの要因として、MTX添加により死滅した絨毛癌細胞が細胞抽出液を回収する段階で除去されてしまうことが一因と考えられた。そこで、MTX投与後の絨毛癌細胞培養上清中ホモシステイン濃度の変化を検討するプランに変更した。 2.絨毛癌細胞培養上清中ホモシステイン濃度の測定 予備検討として、絨毛癌細胞培養上清中のホモシステイン濃度が正確に測定できるかまず検討することとした。24wellディッシュにJarを5000個播種し、オーバーナイトで培養した。培養上清を除去し、さらにオーバーナイトで培養した。このとき、培養上清は100μLとし、培養上清を全量回収た。回収した培養上清の原液、5倍希釈、10倍希釈したものを用意し、ホモシステイン濃度を測定したところ、希釈倍率に比例して、ホモステイン濃度の低下が認められ、絨毛癌細胞培養上清中のホモシステイン濃度が測定できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
絨毛癌細胞培養上清中のホモシステイン濃度の測定が可能であることは判明したが、実際にMTXを投与し、その濃度がどのように変化するのかはまだ検討できていないため、さらにMTXに対して耐性を示す絨毛癌細胞細胞株を使用した比較実験がまだ行えていないため。
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今後の研究の推進方策 |
MTXを投与し、絨毛癌細胞培養上清中のホモシステイン濃度がどのように変化するのか検討する。MTXに対して耐性を示す絨毛癌細胞細胞株を使用し、この絨毛癌細胞細胞株がオリジナルの絨毛癌細胞細胞株とどのように異なる反応を示すか、すなわち、MTXを添加したときの培養上清中ホモステイン濃度がどのように変化するか検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験試薬・材料として、MTX添加による絨毛癌細胞培養上清中ホモシステイン濃度測定や、ホモシステイン添加によるアポトーシス経路に使用予定である。また、学会発表のための旅費と、論文校正、論文投稿に使用予定である。
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