子宮内膜症患者の月経血中に高濃度のhepcidinが存在し、hepcidinが鉄を細胞内から細胞外へ排出する唯一の輸送体であるferroportinの膜分布濃度の低下を引き起こし、細胞内の鉄貯留を促進させることを明らかにした。さらに、過剰な細胞内鉄貯留はROSの産生促進からNAD量の相対的な低下を来たし、正常子宮内膜間質細胞だけでなく子宮内膜症病巣の間質細胞にも炎症性変化をもたらすことから、子宮内膜症の発症や病態進展に深く関わっている可能性を見出した。また細菌性エンドトキシンであるLPSがその発症や病態形成に重要な役割を果たしており、抗酸化剤の投与によって抑制されることも明らかとなった。
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