ぶどう膜悪性黒色腫は成人の原発性眼内悪性腫瘍の中では最も頻度が高く、しばしば致死的となる予後不良疾患である。早期診断例に対しては視機能を温存する種々の治療法が存在するが、治療後の眼内局所再発や遠隔転移に対する有効な治療法はいまだ存在せず、有効な薬物療法の確立が急務となっている。これに対して本課題では、すでにヒトに対する安全性が知られている薬剤CEP1347がその臨床濃度域においてぶどう膜悪性黒色腫細胞に対して選択的にp53を活性化し増殖を抑制する作用を有することを明らかにしており、ぶどう膜悪性黒色腫治療薬の新たな有力候補を見出したという点において医学・医療に貢献するものと考えられる。
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