近年、胸腺の間葉系細胞が正常なT細胞のセレクションに重要な役割を果たすことが報告されており、その機能異常が自己免疫疾患の病因になることが推測される。本研究では、胸腺における制御性T細胞のセレクション機序に着目し、胸腺間葉系ストロマ細胞との関連を検討した。具体的には、マウス胸腺から胸腺間葉系ストロマ細胞およびCD4単陽性細胞を単離し、共培養実験を行なった。接触型共培養においてCD4単陽性細胞からCD4・ CD25陽性の制御性T細胞への分化が認められた。CD4・CD25陽性の制御性T細胞への分化は、特に髄質の胸腺間葉系ストロマ細胞の細胞表面マーカー特性を示す細胞によって誘導されることが示された。
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