ヒストンの修飾は、様々な化学修飾により染色体の高次構造の変化や転写制御、細胞運命の維持などを制御する重要な役割を担っている。近年、ヒストンの新規修飾として乳酸による「ラクチル化」が発見され世界的に注目を集めている。現在までに間葉系幹細胞から骨芽細胞および脂肪細胞への分化をMCT1による乳酸の輸送が制御するというMCTの新しい機能を見出した。そこで本研究では、乳酸によるヒストンのラクチル化が間葉系幹細胞の分化にどのような影響を及ぼすかを明らかにする。本研究の成果は、乳酸のラクチル化による新たな分化機序の解明に繋がり、新たな骨代謝疾患の治療法の開発に大きく寄与する可能性がある。
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