KLF5は上皮細胞の分化抑制に重要な転写因子であり、癌進行に大きく関わると考えられるが、その発現制御機構と細胞分化との関連性については明らかになっていない。本研究では、KLF5遺伝子の基本的発現に不可欠な最小必要領域(MER)とその上流に存在するサイレンサー領域のインタラクトにはCREBが介在しており、MERに結合するSp3以外の因子と複合体を形成することが示唆された。また、ヒトケラチノサイト由来細胞株HaCaTにCaによる分化、脱分化誘導を行ったところ、KLF5とその発現抑制に関わるCREBの発現はCa誘導性分化の影響を受け、細胞内Ca濃度がその発現制御に関わる可能性が示唆された。
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