慢性閉塞性肺疾患(COPD)は労作時呼吸困難などで知られている呼吸器疾患である。申請者は過去にCOPDモデルラットを作成し、COPD罹患による呼吸・嚥下への影響を検証した。その結果、COPD罹患は吸気中の嚥下惹起頻度を高め、嚥下関連筋活動も変化させるということがわかった。今回、中枢呼吸回路に依存し、嚥下に先立つ短い吸気を示す、Schluckatmung(小吸気)に関して検討を行ったところ、COPDモデルでは、Schluckatmung(小吸気)を認めるがその頻度はわずかであり、罹患により有意な増加を示さなかった。COPD罹患による末梢性変化は呼吸中枢を変調するまでに至らない可能性が考えられた。
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