進行性顆頭吸収(PCR)とは、顎矯正手術後に下顎頭の骨が吸収されてしまう疾患のことである。我々はこれまでにラット下顎骨延長モデルを用いて下顎頭に機械的負荷をかける実験を行ってきた。今回我々は副甲状腺ホルモン(PTH)製剤がPCRの予防や治療に有効かどうかを探る実験を行った。PCRは女性ホルモンとの関連が報告されていることから、卵巣摘出(OVX)ラットを用いて実験を行った。下顎骨延長により下顎頭に負荷をかけたOVXラットの下顎頭の骨欠損長を測定したところ、PTH非投与群では1091μmであったのに対し、PTH投与群では714μmと投与群の方が骨欠損長が小さかった。
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