口腔癌の頸部リンパ節転移は最も重要な予後不良因子の1つであり予後改善には口腔癌細胞の転移の分子機構解明が望まれている。 癌細胞の転移能はサイトカイン等の炎症シグナルによって亢進することが知られている。癌細胞に炎症刺激が加わるとシグナル伝達経路を介して多くの遺伝子・タンパク質の発現が変動し、その結果癌細胞自身がサイトカインを分泌するようになり、それらが周囲の細胞に作用して複雑なサイトカインネットワークを形成する。 口腔癌における炎症シグナルとサイトカインネットワークの関連を解明することを目的に研究を行った。高転移能を有する口腔癌細胞株を用いて遺伝子網羅解析を行い、炎症や癌進展に関わる因子を同定した。
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