研究課題
若手研究
TGF-βスーパーファミリー関連因子において,BMP-3bと同様にBMP-3, BMP-2, ACVR2B, TGF-β1の発現量が低いほど乳がんの死亡予後が有意に悪いことがわかった.BMP-3bは骨芽細胞に発現していた.BMP-3bのノックアウトマウスの骨を解析したところノックアウトで骨量が大きく,またノックアウト由来の骨芽細胞は野生型に比べて骨芽細胞分化能が有意に高かった.すなわち,BMP-3b は骨芽細胞系細胞の骨形成を抑制することで骨量を負に制御している可能性がある.
口腔外科学
Medication-Related Osteonecrosis of the Jaw(MRONJ)はビスホスホネート製剤や抗RANKL抗体などの骨吸収抑制薬使用による有害事象である.MRONJの誘因としては乳がんなど骨転移や,それに伴う疼痛緩和のために骨吸収抑制剤が投与されているケースが多い.本研究から,乳がんの骨転移メカニズムの一端が明らかになり,将来的に骨代謝回転を低下させることなく骨転移をコントロールできるようになれば,MRONJの発症を減らすことが可能となり,MRONJの解決に大きく貢献できる.