研究課題
若手研究
本研究では正確で簡便な小唾液腺の分泌量測定法を開発した。この測定法は健常者のみならず、放射線治療患者の治療中の粘膜炎発生時にも適用可能な汎用性の高いものである。小唾液腺分泌量および総唾液分泌量との関連性評価の目的で、放射線治療患者の摂食時および非摂食時の口腔乾燥感についてVisual analog scale法にて患者アンケート調査を行った。その結果、小唾液腺分泌量が総唾液分泌量よりも患者が自覚する口腔乾燥感との関連性が高い可能性が示唆された。
歯科放射線学
総唾液分泌量の低下よりも、小唾液腺分泌量の低下こそが患者の自覚する口腔乾燥感と強く関連していることがすでに報告されていたが、これまで確立された客観的測定法が存在しなかった。今回開発した測定法は健常者のみならず、放射線治療患者の治療中の粘膜炎発生時にも適用可能な汎用性の高いものであり、加齢性・薬剤性・糖尿病・自律神経障害・シェーグレン症候群に代表される推定800万人の口腔乾燥症患者に適応できる可能性がある。