半側空間無視を呈する脳卒中後患者は運動麻痺や感覚障害など多くの合併症を呈するため、半側空間無視が直接的に姿勢制御に与える影響を検討することは難しい中、本研究は基礎的な検討方法として、左プリズム適応による左半側空間無視様の状態を引き起こすことで、無視様症状が姿勢制御時の分配性注意機能に与える影響を検討した初の取り組みである。本研究成果により、姿勢制御の影響は通常の視覚認知状態では左右空間ともに生じる一方、無視様状態では姿勢制御が難しい条件になると無視側への影響がより強く生じることが示され、学術的意義だけでなく臨床現場における患者対応などの注意点として社会的意義も示唆された。
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