本研究は、運動により活性化されるオートファジー基質タンパクp62の新たな機能に着目し、運動による多発性筋炎の軽減に対するp62の役割を検証した。多発性筋炎の実験動物モデルである実験的自己免疫性筋炎(EAM)マウスに走行運動を負荷した結果、p62のリン酸化を増大したが、EAMによる筋量や筋力の低下は改善せず、持久性運動能力の低下のみが改善した。さらに筋特異的p62欠損および野生型マウスにEAMを誘導し走行運動を負荷した結果、両遺伝子型で持久性運動能力が改善し、その程度に違いはなかった。したがって、走行運動はEAMマウスの持久性運動能力を改善するが、その改善にp62は関与しない可能性が示唆された。
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