本研究の目的は,急性骨格筋痛患者における中枢神経系に対するリハビリテーション介入の開発に向けた橋渡し研究として,実験的な急性痛状態にある健常成人を対象に,ミラーセラピーによる効果を皮質脊髄路の興奮性や主観的な痛みの程度を指標に検討することである.その結果,ミラーセラピーを実施することで,皮質脊髄路の興奮性は実施しない群と比較し,有意に高値を示し,痛みが誘発され完全に消失するまでの時間も,ミラーセラピーを実施した方が,有意に短縮したことが明らかとなった.骨格筋痛に対するMTは,痛みに伴う皮質脊髄路の興奮性低下の軽減と痛みそのものを軽減できる可能性が示唆された.
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