研究課題
本研究は、椎体形成術後の続発性骨折と後弯変形を予防する効果的な運動療法を明らかにすることを目的としている。計画では、①背筋筋力増強に有酸素運動とバランス練習を加えた複合運動は椎体形成術後の続発性骨折と後弯変形の予防に対して有効か、②運動と認知課題を同時に行うDual-task運動を行うことで複合運動の効果をさらに向上させることができるかを検証することから構成されている。研究の実施状況においては、当院がCOVID-19受入施設になり、整形外科病床の縮小や手術の中止が度重なり、当初予定していた症例数が集まらなかった。そのため、当初予定していた②運動と認知課題を同時に行うDual-task運動を行うことで複合運動の効果をさらに向上させることができるかの検証は断念した。①の検証に関しては、6か月以上の追跡調査が完了した症例(130例)を対象に中間解析を行い、背筋筋力増強に有酸素運動とバランス練習を加えた複合運動は、椎体形成術後の続発骨折を予防し、治療成績を向上させることを示唆した結果が得られた。術後1年の最終評価を完了した症例を増やして検証を行うために、継続して症例募集、データ収集を行ってきた。次年度にデータ収集を終え、解析、成果報告を行う予定にしている。また、サブ解析として、続発性椎体骨折を引き起こすリスク因子について運動機能を含めた検証や、椎体形成術後のせん妄のリスク因子ならびに予防法の検証など、椎体形成術後の運動療法に関連することに対しても、本研究から得られたデータを利用し解析を進めていく。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画はコロナ渦により断念したが、計画変更後に関しては、データ集積、中間解析、学会発表を行っており、おおむね順調に進んでいると判断する。
術後1年の最終評価を完了した症例を増やして検証を行うために、継続して症例募集、データ収集を行ってきた。次年度にデータ収集を終え、解析、成果報告を行う予定にしている。また、サブ解析として、続発性椎体骨折を引き起こすリスク因子について運動機能を含めた検証や、椎体形成術後のせん妄のリスク因子ならびに予防法の検証など、椎体形成術後の運動療法に関連することに対しても、本研究から得られたデータを利用し解析を進めていく。
前年度は国際学会への参加を理由に研究費を確保していたが、あまりが出た。研究はおおむね計画通り進行している。
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Journal of Spine Research
巻: 14(6) ページ: 915-922
10.34371/jspineres.2023-0616