統計モデルに基づくNMFの乖離度は一般に信号分離や雑音除去といったタスクにおける性能評価指標を考慮していないため,これらのタスクにおいて常に高い性能を発揮するとは限らなかった.しかも,従来の乖離度の調整可能なパラメータはせいぜい1つしか無く,モデルの表現力は限られていた.一方では,提案法ではニューラルネットワーク(NN)を用いて乖離度を構成することでモデルの表現力を向上させ,評価指標を考慮してNNを学習することに成功した.また,シミュレーションにより,信号分離や雑音除去においてNMFの乖離度が与える性能への影響を明らかにした.これはNMFの乖離度に関する研究を総括する意味で有意義である.
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