ミトコンドリアは独自の環状マルチコピーゲノム(mtDNA)を持っているが、このmtDNAコピー数(mtDNAcn)の全生涯、特に周産期における生理的・病理的意義は十分に明らかにされていない。本研究では、化学物質曝露などを含めた妊娠中環境による母体血mtDNA量的変化が、児の生後発達にどのような影響を及ぼすのかを解析するため、祖父母、両親、新生児の三世代149家族、合計1,041名の末梢血・臍帯血中のmtDNAcnを測定、解析した。しかし、妊婦の喫煙歴、受動喫煙歴などの環境要因と、母児mtDNA copy number、出生アウトカムとの相関はみられなかった。
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