生息地破壊は地球規模で生じる環境問題であり,その保全を議論する上でマクロ生態学が対象とするような広大な空間スケールでの議論が欠かせない。本研究では,マクロ生態学の知見を援用し地球規模の生態系のパターンを記述し,また土地利用動態と組み合わせることで,地球規模で起こりうる生物多様性損失の定性的パターンを調べた。その結果,幅広いシナリオのもとで,単位土地改変面積当たりの絶滅リスクが土地利用の進行とともに増大していくというパターンが示された。一方,保護区の導入には絶滅リスクを効果的に減少させることができ,特に早期の導入であるほどより高い保全効果を発揮することが示唆された。
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