焦電効果は温度変化に依存して物質表面に自発分極を生成する現象で、X線発生に利用できることが知られているが、その詳細な物理過程は明らかになっていない。近年、酸化チタン化合物半導体と金属のショットキー接合部で高い焦電効率を示すことが明らかになった。本研究ではNb添加BaSrTiO3とAuの接合(Au/Nb:SBTO)間に生じる焦電効果による真空中のX線発生について実験的に調査し、電子発生過程の解明を目指した。Au/Nb:SBTOを約1 Paの真空に封入して温度変化させ、近傍に設置したSi検出器でX線発生量を測定した。結果として、Au/Nb:SBTOによる焦電効果ではX線の発生は確認できなかった。
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