研究課題/領域番号 |
21K18255
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
烏山 一 東京医科歯科大学, 高等研究院, 特別栄誉教授 (60195013)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 急性呼吸窮迫症候群 / 呼吸不全 / 炎症寛解 / 好塩基球 / 好中球 / サイトカイン / 遺伝子改変マウス / 1細胞トランスクリプトーム解析 |
研究成果の概要 |
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は致死率が30-40%と極めて高い重篤な急性肺炎症疾患である。コホート研究において患者末梢血好塩基球数の低下とARDS重症度との相関が報告されたが、両者の直接的な因果関係は不明であった。本研究におけるARDSマウスモデルの解析から、肺浸潤細胞の0.1%を占めるに過ぎない好塩基球が肺炎症の回復に重要な役割を果たしていることが判明した。すなわち、好塩基球の分泌するサイトカインIL-4が好中球に作用して、好中球の炎症惹起因子の産生を抑制するとともに好中球のアポトーシス死を促進して炎症終焉を誘導することが明らかになった。
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自由記述の分野 |
免疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ARDSは重症肺炎(コロナウイルス肺炎など)、敗血症、外傷や誤嚥などが誘因になって発症する重篤な肺疾患で、呼吸不全に対して人工呼吸管理が行われるがARDSを直接改善する特効薬は無く、新規治療法の開発が切望されている。本研究におけるARDSマウスモデルの解析結果を踏まえて、さらにヒトARDS病態における好塩基球ならびにサイトカインIL-4の役割を解析することで、ARDS新規治療法の標的が明らかになるものと期待される。
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