研究成果の概要 |
本課題では, 転移リンパ節AI診断法, 放射線療法, 遺伝子解析から転移初期段階にあるセンチネルリンパ節の治療から遠隔転移の治療を目指す革新的なリンパ行性薬剤送達法(LDDS)の開発を目指した. 転移リンパ節AI診断法の開発では転移リンパ洞の形態学的変化に着目し解析手法を提案した. つぎに照射線療法に関しては全身照射とLDDSおよび転移リンパ節への局所照射とLDDSによる治療効果比較から1Gy程度の放射線による免疫活性化の高まり遠隔転移を予防できる可能が示唆された. 遺伝子解析ではTh1細胞を介した抗腫瘍効果とCD8を介した抗腫瘍免疫応答がLDDS治療に関連することが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は, AIを駆使した転移初期段階にあるセンチネルリンパ節の診断技術, LDDS併用放射線治療の開発, 遺伝子解析から, 革新的なリンパ行性薬剤送達法の開発を目指す世界で初めての試みである. 本研究は, これまで診断が困難であった転移初期リンパ節を的確に診断することで不必要な郭清術を減少させ, 腫瘍性免疫学的変化に関与する素因の解明から新規の免疫療法戦略の立案など, 学術体系やその方向性を大きく転換させ得る可能性を秘めるものである.
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