本研究は、アフリカの現代哲学を日本に導入し、来たるべき世界哲学の発展のための礎石とすることを目的として、以下の三つの分野の研究を行った。(1)アフリカの現代哲学史: アフリカ哲学導入のために思想史的な研究を行った。(2)アフリカ的現象学的解釈学の可能性: アフリカの伝統的な宗教・世界観・人間観についての文化人類学的資料をもとにして、現象学的解釈学の立場からアフリカの生活世界を再構築する研究を紹介した。(3)概念比較による言語哲学の再構築: アフリカ諸言語や伝統思想に見られる独特の存在論、認識論、時間概念、道徳諸概念を西洋哲学のそれらと比較し、新しい思考法を開拓している哲学に注目した。
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