研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究ではもともと音声言語として存在していた香港の固有言語(広東語)と台湾の固有言語(台湾語)について、現代の文学作品を基礎資料として、書記言語化がどの様に進んだかを考察した。それと並行して、19世紀から現代に至る粤語の文字表記の特徴の史的変遷を文学作品以外の文献(主に言語学習教材および辞典・語彙集)に基づいて明らかにし、かつ書記言語化に関連する諸現象についての考察を進めた。
言語学
本研究の学術的意義としては、研究課題名に含まれる「現代」にとどまらず、急速な書記言語化が進んだ時期に至る前の時期まで視野に入れ、時間幅のより長い通時的視点から分析と考察を行うことができた点が挙げられる。社会的意義としては、香港文学と台湾語文学を主題とした授業で、本研究で得られた知見を受講者と共有することで、大学教育への還元を行うことができた。また、事典の項目解説で早期の字体の特徴について言及し、研究成果を社会に還元することにも努めた。