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2023 年度 実施状況報告書

協調学習における主体的な学びの調整を状況に応じて支援するエージェントの開発と評価

研究課題

研究課題/領域番号 21K18527
研究機関専修大学

研究代表者

望月 俊男  専修大学, ネットワーク情報学部, 准教授 (50379468)

研究分担者 江木 啓訓  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (30422504)
石井 裕  岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (30372642)
加藤 浩  放送大学, 教養学部, 教授 (80332146)
久保田 善彦  玉川大学, 教育学研究科, 教授 (90432103)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2025-03-31
キーワード協調学習 / 議論 / 共調整学習 / エージェント / 批判的ディスコース分析
研究実績の概要

本研究の目的は,協調学習において,状況や他者との関わりの中で発現する学習者のパフォーマンスを即時に分析し,学習者が学びの自己調整 (よりよく学ぶために,次に取り組む学習活動を計画し,実行すること)を主体的・即興的に考えられるように助言するエージェントを開発し評価することである。具体的には,協調学習の対話を通した学習場面を対象として,プロトタイプを構築し,評価することを目的とする。
本年度は、前年度の成果を踏まえて2つの研究を行ってきた。第一に、エージェントからの発話内容のバリエーションを増やすことで、議論全体における参加者の発話の均衡化を促進する研究を行った。この成果は、International Conference on Computing Educationで発表したほか、情報処理学会論文誌に掲載された。
第二に、エージェントの助言に対して学習者が学びの自己調整・社会的共有調整をどのように行っているかについて、エージェントと学習者の間の関係性構築過程をもとに検討した。その結果、学習者は主体的にエージェントからの発話の促しを単に受け取って反応するばかりでなく、(a) そのエージェントからの促しについて評価を行っており、(b)その評価が高まることでエージェントからの発話の促しを踏まえた調整を行うようになること、(c) そのエージェントの促しの評価を行う過程で、自分たちの議論に対するメタ認知的モニタリングも行っており、それがエージェント無しの場合の協調学習の調整につながる可能性が示唆された。これは日本教育工学会全国大会、International Conference of Computer-Supported Collaborative Learningで発表して議論を行った。より精緻な分析をさらに進めた上で論文投稿をする予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた生理的な指標による協調学習の調整の分析ではなく、批判的ディスコース分析による分析を行うことで、学習者たちによる共調整を自然と引き出すアーティファクトとしてのエージェントの重要な役割が見出された。本研究プロジェクトの萌芽研究としての位置づけからみると、十二分の成果が得られそうな状況にあるため。

今後の研究の推進方策

本年度末に、フィンランドのオウル大学からAndy Nguyen氏のチームが来訪して、ミニワークショップを実施した。その議論の結果をもとに論文としての研究発表および成果普及に努めていく。また、将来的な国際共同研究による研究発展の可能性を模索する。

次年度使用額が生じた理由

研究のとりまとめに費用と時間が必要と判断したため。研究の取りまとめや研究発表旅費に用いる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)

  • [国際共同研究] カルガリー大学(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      カルガリー大学
  • [雑誌論文] 議論における発話の偏りに基づいて参加の均等化を促す議論支援システム2024

    • 著者名/発表者名
      西村 龍之介、居原田 梨佐、菅本 祐也、石井 裕、望月 俊男、江木 啓訓
    • 雑誌名

      情報処理学会論文誌

      巻: 65 ページ: 197~210

    • DOI

      10.20729/00231745

    • 査読あり
  • [学会発表] 個別フィードバックを行う議論支援エージェントシステムの提案2024

    • 著者名/発表者名
      渡邊愛恵, 西村龍之介, 菅本祐也,石井裕,望月俊男,江木啓訓
    • 学会等名
      情報処理学会第121回コラボレーションとネットワークサービス研究会
  • [学会発表] 3次元対話エージェントによる支援のスクリプトが協調的議論の共調整に与える効果2024

    • 著者名/発表者名
      望月俊男, 江木啓訓, 石井裕, 結城菜摘, 西村龍之介, 菅本祐也, 久保田善彦, 加藤 浩
    • 学会等名
      日本教育工学会2024年春季全国大会
  • [学会発表] Discussion support agent system to promote equalization of speech among participants2023

    • 著者名/発表者名
      Nishimura, R., Iharada, R., Sugamoto, Y., Ishii, Y., Mochizuki, T. & Egi, H.
    • 学会等名
      APSCE the 31st International Conference on Computers in Education (ICCE2023)
    • 国際学会
  • [学会発表] Investigating Relationship Development Processes Between 3D Conversational Agents and Learners in Collaborative Discussions2023

    • 著者名/発表者名
      Mochizuki, T., Yuki, N., Egi, H., Ishii, Y., Kubota, Y., Kato, H., & Takeuchi, M. A.
    • 学会等名
      16th International Conference on Computer-Supported Collaborative Learning - CSCL 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] 発話量に応じて参与をはたらきかける議論支援エージェントシステムの評価2023

    • 著者名/発表者名
      西村龍之介, 居原田梨佐, 菅本祐也, 石井裕, 望月俊男, 江木啓訓
    • 学会等名
      日本教育工学会研究会

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公開日: 2024-12-25  

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