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2021 年度 実施状況報告書

低気圧プラズマと動的液体金属流体の相互作用による天体模擬実験

研究課題

研究課題/領域番号 21K18611
研究機関東北大学

研究代表者

高橋 和貴  東北大学, 工学研究科, 准教授 (80451491)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワード液体金属 / 低気圧プラズマ / 磁場揺動
研究実績の概要

本研究では,低気圧プラズマと高速で回転する液体金属が相互作用する実験系の構築を可能な装置を開発し,液体金属中の乱れとプラズマが,磁場揺動を介して相互作用する現象の探索を将来的に行う基盤技術の開発を目的としている.初年度は,現有の真空容器に真空排気系を整備し,さらに,真空容器周辺に数100Gaussの磁場を印加可能なソレノイドコイルを設置し,磁場計算と計測を実施し,動作確認を行った.さらに1Pa以下の圧力帯において10^17-10^18 m^-3 程度のプラズマを生成可能な高周波プラズマ源を設計・製作し,40MHz帯高周波アンプを用いてプラズマ発生に成功し,外部磁場を用いて液体金属封入容器の表面に相当する領域へプラズマ流を輸送することに成功している.
また,真空容器下部には,真空を保持した状態で最大3000rpmで回転可能な駆動機構を設計・製作した.ここでは,水冷式の磁性流体シールを活用し,モーターを用いて高速回転を実現している.その結果,高速回転時にも10-4Paの高真空状態が保持可能であることを確認し,高速で回転する液体金属を本研究の基盤技術を構築したといえる.
フィラメントからの輻射熱を利用して真空容器内部において金属を溶融する構造を製作し,溶融が可能であることを確認した.一方で,加熱時のアウトガスや不純物混入が原因と思われるが,液体金属表面に酸化膜が形成され,凝固する傾向がみられたことから,背景真空度や不純物に対する対策が必要であることが分かった.さらには,イオン衝撃によって金属を溶融可能かに関しても実験を行い,700度程度までのアルミターゲットの加熱が可能であることを確認した.またその際のスパッタリング現象が顕著になることが観測された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では,低気圧プラズマ流と高速で回転する液体金属の相互作用を調査可能な装置開発を目的としており,初年度に高速回転機構の作動を確認し,高周波プラズマ生成も実現していることから,おおむね計画通りに進展しているといえる.

今後の研究の推進方策

液体金属表面の酸化膜を防ぐため,背景真空度や加熱温度に着目して実験を進める.高速回転する液体金属流を実現次第,プラズマ内部の静電揺動計測,磁場計測等を実施するとともに,液体金属流に関する乱れの情報を取得することに挑戦し,プラズマと液体金属の相互作用に関して明らかにしていく予定である.
また,ターゲット加熱時にスパッタリング現象が顕著になる傾向も観測されたため,その工学的応用などの可能性も模索する予定である.

次年度使用額が生じた理由

世界的な製造業の停滞にともない,装置設計製作に必要な各種真空部品,電気電子材料部品の入手が困難な状況にあり,次年度装置を継続して改良する際に必要な真空・電気電子・高周波部品代として使用する予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Comparison of thrusts imparted by a magnetron sputtering source operated in DC and high power impulse modes2021

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Kazunori、Miura Hidemasa
    • 雑誌名

      AIP Advances

      巻: 11 ページ: 105115-1~6

    • DOI

      10.1063/5.0069184

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Magnetic nozzles and plasma plumes2022

    • 著者名/発表者名
      Kazunori Takahashi
    • 学会等名
      ExB Plasma Workshop R4
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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