研究課題/領域番号 |
21K18651
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
塩川 和夫 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 教授 (80226092)
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研究分担者 |
大山 伸一郎 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 講師 (20444424)
小川 泰信 国立極地研究所, 国際北極環境研究センター, 准教授 (00362210)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | 大気流出 / 窒素分子イオン / オーロラ / ファブリ・ペロー干渉計 / 427.8nm |
研究実績の概要 |
・令和3年度は、研究代表者・分担者(塩川・大山)がノルウェー・トロムソ観測点で運用しているファブリ・ペロー干渉計(FPI)で波長427.8nmの青いオーロラ発光を観測できるように、この波長のみを透過するバンドパスフィルターを米国のフィルター製造会社から購入した。 ・コロナウイルスの拡大のために現地に行ってこのフィルターを設置することができなかったため、以前からFPIに装着している波長732nmの酸素原子イオンの発光を観測するフィルターを使って、酸素原子イオンの干渉フリンジの計測を令和3年度後半の9-12月に実施した。この中で、特に令和3年9月28日、9月30日のデータを詳細に解析し、干渉フリンジがイオンのdoublet構造により2重になっていることを確認するとともに、鉛直方向のイオンの速度を求めた。今後、さらに他の日のデータも解析し、酸素原子イオンの動きの速度の日による違いを決定していく。 ・電離圏・磁気圏の分子イオンの人工衛星による観測の過去の論文をレビューし、これまでに得られている知見をまとめて、今回の観測の新規性をよりはっきりさせた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルスの拡大のために、ノルウェー・トロムソの現地に行くことができず、新たに購入した427.8nmのフィルターをFPIに装着して観測を実施することができていない。代わりのフィルターで酸素原子イオンの観測を行っているが、当初目的である窒素分子イオンはまだ観測できていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
R4年度には、昨年度に購入した427.8nmを9-12月のどこかでノルウェー・トロムソのFPIに装着し、窒素分子イオンの観測を開始する。また、すでに観測データを得ることができた酸素原子イオンのデータを解析し、日ごとの違いやオーロラとの対応関係を明らかにして、結果を研究会等で発表していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスの拡大のために、ノルウェー・トロムソに行って機器の設置を行うことができなかったため、そのために予定していた旅費を令和4年度に繰り越した。
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