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2023 年度 実績報告書

青いオーロラの高分解能分光観測に基づく地球大気の窒素分子イオン流出の計測

研究課題

研究課題/領域番号 21K18651
研究機関名古屋大学

研究代表者

塩川 和夫  名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 教授 (80226092)

研究分担者 大山 伸一郎  名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 講師 (20444424)
小川 泰信  国立極地研究所, 国際北極環境研究センター, 准教授 (00362210)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワード大気流出 / 窒素分子イオン / オーロラ / ファブリ・ペロー干渉計 / 427.8nm
研究実績の概要

・前年度に得られたファブリ・ペロー干渉計(FPI)による波長427.8nmの窒素分子発光の干渉フリンジを、モデル計算と比較して詳しく解析することにより、受光部であるCCDカメラの位置が、装置較正に用いている波長632.8nmのHe-Neレーザーの焦点位置に合っており、波長427.8nmの焦点位置に合わせるためには、そこから0.7mmずらさなければならないことが分かった。
・そこで、ノルウェー・Skibotn観測点を令和5年10月に研究協力者が訪問し、現地で運用しているFPIで、CCDカメラの焦点位置を波長427.8nmに合わせて観測を行った。これにより、これまでCCDの中心付近で3個程度しか得られていなかった干渉フリンジが、CCDの領域すべてで14個得られるようになり、感度を約5倍に上げられることがわかった。この10月の滞在期間中は、晴れた夜がほとんどなく、磁力線方向とそれから45度方向を交互に見る標準観測モードのデータが得られなかった。
・そこでさらに令和6年3月に、研究代表者と研究協力者がSkibotn観測点を訪問し、現地のFPIで427.8nmの集中観測を行った。その結果、2024年3月13日の晩に、晴れてオーロラが現れ、標準観測モードで波長427.8nmの干渉フリンジの連続観測に成功した。初期的な解析から、この時は窒素分子イオンの速度として、磁力線方向上向きで100-300 m/sの運動速度が、標準偏差200-400 m/sで得られた。今後、この結果をFPIによる世界初の窒素分子イオンの発光のドップラー効果の解析として、論文にまとめていく予定である。
・これらの解析と並行して、N2+イオン複数のバンド発光輝線の干渉フリンジが、イオンの温度によってどのように変化するか、のモデル計算も行った。こちらについても今後、論文化していく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] EISCAT科学協会/UiT ノルウェー北極大学(ノルウェー)

    • 国名
      ノルウェー
    • 外国機関名
      EISCAT科学協会/UiT ノルウェー北極大学
  • [学会発表] Spectroscopic measurement of ion upflow through Doppler shift of auroral 427.8-nm molecular nitrogen ion emission using a Fabry-Perot interferometer at Tromsoe, Norway: preliminary analysis2023

    • 著者名/発表者名
      Taiki Kikuchi, Kazuo Shiokawa, Shin-ichiro Oyama, Yasunobu Ogawa, Junichi Kurihara
    • 学会等名
      Japan Geoscience Union Meeting 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] ノルウェー・トロムソーのファブリ・ペロー干渉計で2023年3月24日に観測された427.8nm窒素分子イオンオーロラを通したイオンアップフローの分光計測2023

    • 著者名/発表者名
      菊池大希、塩川和夫、大山伸一郎、小川泰信、栗原純一
    • 学会等名
      地球電磁気・地球惑星圏学会2023年秋季年会
  • [備考] Optical Mesosphere Thermosphere Imagers

    • URL

      https://stdb2.isee.nagoya-u.ac.jp/omti/

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公開日: 2024-12-25  

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