研究課題/領域番号 |
21K18758
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石田 泰之 東北大学, 工学研究科, 助手 (20789515)
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研究分担者 |
持田 灯 東北大学, 工学研究科, 教授 (00183658)
藤山 真美子 東北大学, 工学研究科, 助教 (40638425)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | ドローン / 熱画像 / 3Dモデリング / 可視画像 / 長波放射量 / 表面温度 / 温熱環境設計 |
研究実績の概要 |
1.長波放射の高速推定(Rapid-estimation)のための基礎理論の確立 まず、ある微小面積の熱源から、ある角度方向に放出される単位立体角当たりの長波放射量を熱放射強度と定義し、熱放射強度算出のための理論構築を行った。また、長波放射環境のRapid-estimationに用いる、対象の熱源から各方向への熱放射強度を極座標で表示したグラフを配熱放射曲線と定義して、熱放射強度から配熱放射曲線を作成するまでの一連のプロセスを整備した。 2.ドローンを用いた都市構成要素の長波放射特性の計測 宮城県仙台市に位置する東北大学構内で、夏季晴天日の2日間、10m高さの樹木及び2m高さの小型建築物を対象として、可視画像と熱画像を同時撮影可能なデュアルカメラを搭載したドローンを用いて、表面温度の面分布情報を1時間間隔で取得した。この情報を用いて、長波放射特性の時間変化の分析を進めている。 3.計測結果に基づく3Dモデルの作成 撮影した可視画像と熱画像を用いた、小規模建築物の可視画像3Dモデル(3次元点群モデル)及び熱画像3Dモデル(三角メッシュで構成される3次元モデル)の作成手法を整備した。撮影した2次元画像を、3次元点群における位置関係(距離・角度・高低差)と対応させることで、3Dモデルの精度を高めるための標定点と呼ばれる設備を設置し、実スケールと比較したときに10cm未満の精度で3Dモデルが作成され、手法整備のために予備実測を重ねたことで、高精度なモデル作成を達成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初、次年度以降に実施する予定であった、提案手法を用いて予測される熱放射環境の精度検証のための非定常熱収支解析を既に開始しているため、当初の計画以上に研究は進行していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度に引き続き、ドローンを用いた都市構成要素の長波放射特性の計測を実施する。令和3年度に確立した撮影手法を用いて東北大学構内にある、複数の建物・樹木の計測を実施する。またこの結果を用いて、可視画像、熱画像を用いた3Dモデルの作成し、令和3年度に整備した、熱放射強度算出手法に基づいて熱放射強度の算出と配熱放射曲線の作成を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初は、高額で高性能なドローンを購入する計画であったが、令和3年度は、まず既に所有していた比較的安価なドローンを用いることで計測手法の構築・整備のための問題点抽出を行い、これを解消可能な性能を有するドローンを令和4年度に購入する計画である。以上の理由から、令和4年度の使用額に差額が生じた。
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