本研究は、心臓の冠状動脈等が狭窄した際に体内に留置する医療器具であるステントにおいて問題となっている血栓の発生という難題に対して、抗血栓作用がある酸化物材料(Fe3O4)を密着性良くコーティングする事で解決する事を目指したものである。研究成果として、生体吸収性をもつMgステント上にFe3O4を密着性良く製膜するためのMgZnO層の開発に成功した。MgZnO層はZn組成が大きくなると結晶構造が変化するが、バッファ層の導入によってその変化を抑制し、Fe3O4と密着性が良い事が期待される立方晶を維持したまま成長する事に成功した。
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