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2021 年度 実施状況報告書

溶液セル透過型電子顕微鏡における高温高圧環境の実現可能性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 21K18901
研究機関北海道大学

研究代表者

山崎 智也  北海道大学, 低温科学研究所, 特任助教 (50735032)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワード溶液セル透過型電子顕微鏡法 / グラフェン / 高温高圧環境
研究実績の概要

本研究では、透過型電子顕微鏡を用いて高温高圧環境における溶液試料の観察が可能かどうかを検証することを目的とする。溶液セル透過型電子顕微法は、電子ビームを透過できる薄膜を観察窓として有する溶液セルを用いて、溶液試料を透過型電子顕微鏡で観察する手法である。本手法において、グラフェンを薄膜として用いた場合、試料の厚みに応じて溶液試料に高い圧力がかかることが知られている。一方、試料の厚みを制御した溶液セルの作製は非常に困難である。本年度は厚みを制御しつつ、容易に作製が可能な溶液セルの開発に取り組んだ。まず、厚みの制御が可能な溶液セルの設計を行った。シリコン基板をベースとして、窒化ケイ素薄膜を観察窓として設置する。その観察窓に厚みを制御した井戸型の未貫通穴を設置した。この未貫通穴に溶液を充填させ、グラフェンで封をすることで溶液セルを作製する予定である。また観察では、できるだけ観察できる範囲は広いほうが良い。一方、どのくらいの穴のサイズまでグラフェンで封をすることができるかは不明である。そのため、穴のサイズを複数種類設置することでその検証を行えるようにした。また、密閉した溶液試料へは試料加熱TEMホルダーからの熱を効率よく伝えなければならない。これは、試料観察の妨げにならないような窒化ケイ素薄膜上に金属薄膜を設置することで、試料溶液への熱伝導を良くした。このように設計した溶液セルのベースとなるシリコンチップを作製した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

溶液セルのベースとなる部分の設計を行ったが、より課題達成の実現性を高める溶液セルを設計することができた。また、当初の予定よりも早く溶液セルの作製に着手できる段階に進んだ。そのため、当初の計画以上に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

作製した溶液セルのベースを用いて、実際に溶液セルを作製してTEM観察を行う。溶液セルのベースを親水化処理し、試料溶液を井戸型の未貫通穴に充填する。その上からグラフェンを被せて封をする。観察試料にはあらかじめ溶解度の温度圧力依存性が既知のものを用いる。溶液セルの作製は非常に難しいため、より容易に作製することが可能な方法を模索しながら作製を行う。溶液試料の観察に成功した場合、温度を変化させて溶液試料中に晶出する結晶の成長、溶解の挙動を調べる。

次年度使用額が生じた理由

当初計画よりも進展があり、予定よりも早く溶液セルの作製に着手するため、本年度に前倒し支払請求を行った。その残額は引き続き溶液セルの作製に用いる予定であり、これは従来の研究計画通りである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 溶液セルTEMにおける結晶化条件制御方法の検討2021

    • 著者名/発表者名
      山﨑智也, 木村勇気
    • 学会等名
      日本顕微鏡学会 第77回学術講演会

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公開日: 2022-12-28  

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