本研究では、テトラアリールアンモニウム塩を合成する手法を確立するため、主に3種類の合成中間体を経由する検討を行った。(1)アザシラトリプチセンおよびアザホスファトリプチセンを用いるもの、(2) o-ブロモフェニル置換トリアリールアミンを用いるもの、(3) アザボラアントラセンを用いるものである。(2)では、鍵中間体とPd錯体との反応により、C-Pd結合とトリアリールアミンの窒素原子が近接する生成物が得られたものの、この生成物からのC-N結合還元的脱離反応を観測するには至らなかった。さらなるトランスメタル化や酸化によりC-N還元的脱離を誘発することで目的の生成物を得る可能性はあると考えている。
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