ハロゲン元素の水酸化物沈殿に関する系統的研究を行った。ClからIまでに対しては、安定な核種を用いて水酸化物沈殿実験を行い、その収率をモール法を用いて求めた。Iに対してのみ低いながら収率が観測されたため、過去に報告のあった結果の再現をみるために、放射性のヨウ素I-131を用いて水酸化サマリウム共沈実験を行った。条件によっては若干の収率が観測され、共沈の可能性が示されたが、同時に非常に複雑な化学挙動が観測された。最後に放射性のAt-211試料を核反応により合成し、水酸化サマリウム共沈実験を行い、初めてのAtの共沈挙動の観測に成功した。また、計算による考察からAt独自の結合性が示された。
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