水素同位体分離の研究は古くから行われているが、室温で動作可能な固体高分子形電気化学デバイスを用いての分離に関する研究例はわずかである。特に電極触媒種が分離能に与える影響に関する知見は皆無であり、学術的にもこれら機構を明らかにすることは重要である。また、重水素は、製造コストが高いため、その多くを輸入に頼っている。しかしながら、戦略物質であり価格コントロールされているため供給リスクが高い。本成果は、低コストでの重水素濃縮の可能性を示した結果であり、国内産業で必須の重水素の国内生産化が期待できるため社会的意義も高い。
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