水環境に広く偏在する磁性細菌は、細胞内に一般的な細菌の百~千倍程度の鉄を含む。本研究では磁性細菌の微生物生態系における鉄の供給者として役割を検証した。まず、磁性細菌M. magneticum AMB-1が原生生物に捕食された際に細胞内外のFe2+濃度が上昇することがわかった。また、淡水池において磁性細菌を捕食する原生生物を同定したところColeps属の繊毛虫が磁性細菌捕食者であった。さらに、磁性細菌捕食の淡水池の微生物組成への影響を調べたところ、磁性細菌捕食に特異的に増加する細菌種を確認した。本研究では、磁性細菌と真核微生物の生物間相互作用が環境中の鉄の存在状態や微生物群集への影響を評価した。
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