本研究にて得られた結果は、プラスチック粒子が免疫細胞ないし上皮細胞を傷害してアレルギー応答を増強する可能性を示した。また、その応答を化合物処理で抑え得ることも分かった。食物アレルギーを含め、アレルギー疾患は今や我が国で国民病と言われ、患者数は増加の一途を辿っている。その潜在的要因の1つとして、環境中に遍満しているプラスチック粒子が関与しているかについては、慎重に解析を重ねて議論せねばならないが、本研究の成果は並行してプラスチック粒子がアレルギーを亢進させる機序の詳細解析や、対策の確立を進める必要があることを示唆するものである。本研究の成果が端緒となり、基礎・応用研究が発展することが望まれる。
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