植物の立体形状は遺伝子と環境の双方によって複合的にコントロールされており、従来の遺伝学のみでは立体構造形成の原理をとらえることは困難である。本研究では、イネのコメの形を決定する頴花の形状をモデルケースとし、物理ベースの数理モデリングにより、器官の立体構造の形成原理を解明することを目的とした。北海道で容易に栽培を行うことができる品種キタアケを用い、発生過程の穎花の概形(縦と横)の測定を行った。その結果、成長方向にパターンがあり、成長過程のあるタイミングでそのパターンが切り替わることが示唆された。定量データをもとに、最終的な形状を記述できるモデルを構築した。
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