ノカルジア症はブリ属魚類の養殖に甚大な被害を与えている感染症である。本研究では、病原細菌Nocardia seriolaeをγ線照射により不活化し、ワクチンとして使用した。研究室内で簡易的に飼育できるモデル魚・ギンブナに、本不活化ワクチンを投与したところ、ノカルジア症の症状を示さず、本ワクチンは魚類において病原性を示さないことが示唆された。さらに、本ワクチンを接種した魚に、N. seriolaeの生菌を腹腔内に接種して攻撃試験をしたところ、陰性対照区よりも統計的有意に累積死亡率が低下した。以上のことから、本ワクチンは魚類のノカルジア症に対して有効であると考えられる。
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