研究課題/領域番号 |
21K19171
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分41:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
上野 大介 佐賀大学, 農学部, 准教授 (60423604)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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キーワード | 微細藻類 / イカダモ / 分析化学 / におい嗅ぎガスクロマトグラフ |
研究成果の概要 |
本グループでは,微細藻類が発する“におい”を利用した新しい培養技術“においセンシング培養(Odor Sensing Cultivation:OSC)”の開発を進めている.国産の新しい農作物として期待されている緑藻イカダモ(Scenedesmus sp.)を対象として,OSC実用化に向けた基礎的データの蓄積を目的とした.イカダモ培養液の嗅覚官能評価の結果,におい強度は2.1(何かわかる程度の強さ)であり,においの印象は“お茶,甘い,生臭い”というものであった.該当のにおい物質を化学分析に供試したところ,1-ノナナール, 2-ウンデセナール,α-,β-イオノンが同定され,また酢酸が仮同定された.
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自由記述の分野 |
におい農学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
嗅覚官能評価によるにおいの印象と理化学分析を併用することで,イカダモの収穫適期を把握できるだけでなく,細胞増殖の活性や健康状態,バクテリアの混入,他種の微細藻類の混入など,総合的な培養状態の変化を判別できる技術の可能性が示された.将来的に生産現場においてOSCを活用するためには,官能的/理化学的な指標に対する“判別基準”が必要となる.現在,生産現場と同等の大量培養条件の実験を計画しており,イカダモの多面的な培養状態の変化と,嗅覚官能評価および化学分析結果との関連性を検証し,OSCに向けた判別基準の策定が望まれる.
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