本研究は、これまで覚醒・意識制御における重要性が報告されていながら、その詳細な分類や解析が行われていなかった脳幹網様体に存在する巨大神経網様核(NRG)細胞を解析・操作する技術の開発を行い、意識・覚醒経路の起点となる脳部位や神経細胞を明らかにする学術的意義をもつ。意識や覚醒など個体レベルで統合的に働く脳機能制御メカニズムへのアプローチとなるものであり、覚醒・意識・随意運動形成機序の解明につながることだけでなく、ヒトの植物状態患者の蘇生法開発や精神神経疾患・運動制御疾患に対するこれまでにない新しい基盤となり、生命科学・医学の分野のみならず社会的意義の高い研究分野に発展することが期待できる。
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