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2023 年度 実績報告書

時空間的トランスクリプトミクスによる骨格系幹細胞の運命決定機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K19596
研究機関大阪大学

研究代表者

波多 賢二  大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (80444496)

研究分担者 宇佐美 悠  大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (80444579)
奥崎 大介  大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (00346131) [辞退]
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワード骨格系幹細胞
研究実績の概要

2023年度は、昨年までのシングルセル解析ならびに空間的トランスクリプトーム解析から明らかとなった遺伝子の機能解析を行った。まず、骨格系幹細胞が多く含まれると推測されるPTHrPを特異的に発現するクラスターの遺伝子発現解析を行った結果、このクラスターにはBarx2,Osr1,Irx5およびCreb5の遺伝子が特異的に発現していることを見出した。これらの遺伝子を標識するRNAプローブを作製し、胎生期マウス肢芽のin situハイブリダイ
ゼーション法を行った結果、これらの遺伝子は将来関節が形成される部位であるインターゾーンに特異的発現が認められた。インターゾーンには関節軟骨形成に重要な幹細胞が多く含まれていることが明らかとなっていることから、これら遺伝子は骨格系幹細胞の分化や機能維持に重要な遺伝子であると推測される。
次に、これら遺伝子が骨格形成過程において構築する遺伝子ネットワークの解明を行った。骨格系幹細胞に重要な遺伝子を、胎生期E11.5日齢のマウス肢芽より採取した肢芽間葉系細胞に過剰発現させたのちRNAを回収しRNAseqを行った。その結果これら遺伝子はWnt3、Wnt4、Wnt7a、Wnt7bおよびWnt10aといったWntファミリー遺伝子の発現を促進することが明らかとなった。また、GO biological processを対象としたエンリッチメント解析においてもCell Cell signaling by WntやCanonical wnt signaling pathwayといったWntシグナル経路が促進していた。Wntシグナルは幹細胞維持に重要であることが報告されていることから、本研究で明らかにした骨格系幹細胞の維持に重要な遺伝子はWntシグナルを介して骨格形成に関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] HOXA10 promotes Gdf5 expression in articular chondrocytes2023

    • 著者名/発表者名
      Murakami Tomohiko、Ruengsinpinya Lerdluck、Takahata Yoshifumi、Nakaminami Yuri、Hata Kenji、Nishimura Riko
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 ページ: 22778-22788

    • DOI

      10.1038/s41598-023-50318-7

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 軟骨細胞分化における高次遺伝子発現制御機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      波多賢二
    • 学会等名
      第41回日本骨代謝学会学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] Transcriptional control of skeletal development2023

    • 著者名/発表者名
      Kenji Hata
    • 学会等名
      71st Annual Meeting of Japanese Association for Dental Research
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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