研究課題/領域番号 |
21K19769
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前川 卓也 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (50447025)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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キーワード | ユビキタスコンピューティング / 行動分析 / 工場作業 |
研究実績の概要 |
アテンション機構を備えた深層モデルを用いた、熟練工員と非熟練工員の行動分析手法を実現し、実際の工場から得られた作業行動センサデータに適用した。その結果は、国際会議(Mobiquitous2021)にて発表した。本研究では、特定の作業を行った際に観測された、熟練工員と非熟練工員のセンサデータの時系列を入力とし、そのデータの技術レベル(熟練もしくは非熟練の2クラス)を推定するアテンション機構を備えた深層ニューラルネットワークを設計した。アテンション機構により、入力センサデータから、熟練もしくは非熟練のクラスに特徴的なセグメントが抽出されるため、その情報を用いて、熟練工員のスキルが潜在的に潜んでいるセグメントを発見する。 産業分野における作業行動認識の論文が、ユビキタスコンピューティング分野のトップ会議であるPerComにフルペーパー採録された。採択率は約13%であった。提案手法は、アテンション機構を備えた深層モデルを、少量学習データで訓練する。本論文に関わる作業行動データセットの収集実験を行い、産業分野における行動認識研究への学術貢献のため、そのデータセットの公開準備を行っている。 また、軽量な深層学習モデルを用いた作業行動認識の論文が、当該分野のトップ会議であるUbicomp(ACM IMWUT論文誌)への採択が決定し、公開予定となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
・国際会議(Mobiquitous2021)にて発表された論文が、論文誌へと推薦されたため、その執筆作業および投稿をおこなった。 ・作業行動認識手法に関わる論文を執筆し、トップ国際会議に2本のフルペーパー論文が採録された。 ・作業行動のセンサデータセットを収集し、公開のための準備を進めている。 ・公開したデータセットを用いた国際コンペティションを計画中であり、データセットの整備やサンプルプログラムの準備などをおこなっている。
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今後の研究の推進方策 |
・7月までには作業行動のデータセットの公開を終わらせる。作業行動のデータセットとしては、世界最大規模となる予定である。 ・当該分野の活動を振興するための国際コンペティションを10月頃から開始する。 ・収集したデータセットには、多種多様な熟練度の工員のデータが含まれるため、より大規模な熟練度分析を行うための検討を開始する。
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