本研究は個人の感覚に頼る細胞培養技術に、データサイエンスのアプローチを取り入れることにより、細胞培養の再現性や生産性といった問題の解決を目指した。網羅的実験により、培養条件と培養の良し悪しが繋ぐビッグデータを蓄積し、世界初となる「環境情報-細胞動態」のデータベースを構築した。実験データに機械学習を適用し、どの環境因子がどの程度に細胞培養に寄与するのかを予測し、それらの相対重要度を明らかにした。アクティブラーニング(実験と学習の繰り返し)により、学習モデルの予測精度を向上させ、細胞培養の培地の最適化に成功した。本研究で確立されている培養実験と機械学習の方法が様々な細胞培養に活かせることになる。
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