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2022 年度 実施状況報告書

情報工学に基づく歴史概念のパラダイム変遷の定量分析

研究課題

研究課題/領域番号 21K19817
研究機関東京大学

研究代表者

浅谷 公威  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任講師 (70770395)

研究分担者 坂田 一郎  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90555682)
門間 卓也  関西学院大学, 文学部, 研究員 (90868291)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
キーワード複雑ネットワーク / サイエンスオブサイエンス / 政策の科学
研究実績の概要

科学のグローバル化と投資は、発表論文数だけでなく、高被引用度論文数においても国家間の格差を縮めている。中国はここ数十年、科学研究において大きな前進を遂げており、論文数やトップ論文数でもアメリカを上回りつつある。しかし、各分野の個別に見ると最先端と言える論文は特定の国に偏っており、各分野の最先端のトピックが国家間で均等になりつつあるとは言い難い。研究トピックの先進性は国家の研究戦略の重要なフォーカスであるものの、それを直接測る指標は存在しなかった。
本研究では、論文の参考文献の時系列比較を用いて、国の研究テーマの進捗を定量的に評価した。ある国の論文における参考文献リストの集約はその研究テーマへの関与の全体像を表すと想定した。Scopusの7100万件の研究論文を用いて、国家間のペアの研究トピックに先行・後続の関係があることを確認した。例えば、日本は、米国と英国が過去に取り組んだ研究テーマと類似した研究テーマに取り組む傾向がある。さらに、このような二国間比較を積み上げてTopic Progress Index(TPI)と定義し、欧米諸国とアジアの都市国家が、他国(日本や中国など)を研究トピックでリードしている傾向が長期にわたり継続していることを明らかにした。
また、情報中心性が高い科学者(共著ネットワークにおける固有ベクトル中心性の高い科学者)が、研究テーマの進展の舵取りに重要な役割を果たすことを示した。情報中心性の高い研究者は、他の研究者が追随するような新しい研究テーマに取り組みより頻繁に引用される可能性のあることが分かった。
以上は、グローバル共著を促進する国家研究戦略、トップ科学者の採用、科学者の海外渡航と帰国を奨励する国家研究戦略を支持する。また、情報公開時代においても科学者の関係が科学の発展に寄与し続け、国家の科学への投資の失敗や成功を説明するものであることを示している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね順調に進んでいるが、研究結果を元にした各方面への有識者へのインタビューはまだ実施できていない。

今後の研究の推進方策

研究結果を元にした各方面への有識者へのインタビューを今後は実施する。

更に、人文科学などの具体的なドメインを絞って分析を進めていきます。

次年度使用額が生じた理由

実験結果を元にしたヒアリングや現地調査が2022年度中に実施できなかったため。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] University of Amsterdam(オランダ)

    • 国名
      オランダ
    • 外国機関名
      University of Amsterdam
  • [雑誌論文] Quantifying progress in research topics across nations2023

    • 著者名/発表者名
      Asatani Kimitaka、Oki Sumihiro、Momma Takuya、Sakata Ichiro
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 ページ: 1

    • DOI

      10.1038/s41598-023-31452-8

  • [学会発表] Quantifying progress in research topics across nations2023

    • 著者名/発表者名
      Asatani Kimitaka、Oki Sumihiro、Momma Takuya、Sakata Ichiro
    • 学会等名
      NetSci 2023 (Oral presentation)
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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