研究課題/領域番号 |
21K20237
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小島 卓也 長崎大学, 多文化社会学部, 助教 (80908525)
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研究期間 (年度) |
2021-08-30 – 2023-03-31
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キーワード | オンライン授業力 / 日本語教育 / 教育実習生 / 実践コミュニティ |
研究実績の概要 |
本研究は日本語教育実習生が同期型オンライン授業に取り組む教育実習を通してどのような課題に向き合い、それを乗り越え、変化していくかを明らかにすることを目的としている。特に、実習プログラムの中で教育実習生が実践コミュニティの醸成に貢献し、オンライン授業力をいかにつけていくかを、実習生個人の経験と文化的背景やコミュニティ内で提供される社会的な支援などを考慮しながら探っている。 2021年度はパイロット研究を行う場として実施した実習プログラムに参加した教育実習生に関するデータ収集とそのデータの分析を行なった。パイロット研究としては、インタビュー、ポートフォリオ、授業録画という十分な種類と量のデータが収集できたと言える。また、分析に応用する予定であった複線経路等至線アプローチに関する理解を学習と実践を繰り返す中で深めることができ、2022年度の実習で収集されるデータの分析はより公立よく進むと予想される。2021年度修了時点でパイロット研究のデータ分析も進み、研究成果として発表するに値すると思われる分析結果も出てきている一方、2021年度中の研究成果発表には間に合わなかったため、2022年度に行われる学会にて研究成果を発表すべく複数の発表申請をした。さらに、学術雑誌論文への投稿に向けた雑誌の選定や論文の執筆も開始している。 2021年度に実施を予定していた、2022年度の教育実習に向けたICT機器等の準備は完了したといえる。また、2021年度の教育実習での取り組みから見えてきた実習を実施する上での課題を踏まえ、2022年度の実習プログラムの若干の修正を図った。特に、オンライン教壇実習だけで完結しない教育実習となるような変更を加えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ収集と分析がおおむね計画通り進んでいるため。また、今後の学会発表には異なる内容のものを複数申し込むことができており、その成果を基に学術誌への投稿論文などを執筆し研究成果の発表を実現できる可能性が高いと考えているため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度はパイロット研究に関する研究成果の発表に取り組む。また、2022年度の新しい教育実習プログラムにおいても新たにデータ収集を行い、実習生個人の経験の分析に加え、実習プログラム全体の検討も行い、実践報告の形で研究成果の発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度を通してコロナ禍で移動が制限されたこともあり、当初予定していた対面でのオンライン授業の専門家の講義を中止したのでそのための渡航費が使用できなかったため。また、年度末に参加を予定していた学会のための渡航費も使用できなかったため。人件費においても専門家講師の対面での研究責任者への指導を予定していたが、それが行えなかったため費用を使用しなかった。2022年度も同様の機会を作る予定でいるため、2022年度と同じ目的のために費用を使用する予定である。ただし、2022年度もコロナ禍で移動が制限される状況がしばらく続くと予想されるため、対面で実施予定であった研究関連活動はオンライン実施への変更をし、旅費として使用予定であった予算の使用目的の変更をすることを検討している。具体的には、書籍や学術誌の購入のために物品費へと変更するか研究成果を発表するための印刷費などとしてその他の費目へ変更する予定である。
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